2009年11月1日日曜日

夢のあと

今回計らずも釣池の水をほとんど抜き去るハメになりました。開業以来4年ぶりの作業でした。水位が下がり徐々に底が露出していく釣池は、水をたたえたその姿が虚像であったかのように、荒廃したサマに豹変していきました。この池がはぐくんだ4年間のさまざまな思い出が目の前で崩落していくような悲哀を感じた時でもありました。

そして、姿を現した底部には無数のスプーン。浮遊していた死亡魚とおびただしい数の錆びた疑似餌が物語るのは釣人の夢のあと。その夢のために命を差し出す事が宿命であったマス類には鎮魂の歌もそえられず、サイズが大きいやら小さいやら揶揄されて死んでいくという現実に、同じ生命体として健全なバランスがとれていないように感じました。管理釣り場を経営する者にはあってはいけない感覚でしょうが、今後の営業方針に一石を投じられた感があります。